Iron Lady

大学院に入る前に1年ほど、大学のESLで英語の勉強をした。
その前に2年ほど、アメリカで仕事をしていたので少しは英語が出来るつもりになっていたが、自分の英語の力が、まったく大学院の勉強についていけるものではないと分かり、われながら、かなり一所懸命に勉強したと思う。そのときの思い出話を一つ。
それは、いわゆるLL教室を使った会話の授業だった。マイクつきのヘッドフォンを使って、ちょっと席の離れたパートナーとコミュニケーションをとりながら、一緒にクロスワードパズルを解いていくというタスクをしていた。パートナーとは席が離れているので、お互いにコミュニケーションがとりづらくなったからといって、紙にメモを書いて見せたり、身振り手振りで伝えることができない。何とか、話だけでコミュニケーションしなければいけないわけだ。これが思ったより大変だったのだが、実に面白かった。
私のパートナーは、韓国人のクラスメートだった。彼とは、歳もお互いに近かったせいか、話もあって、よく一緒に勉強したりする仲だった。ご存知のように、クロスワードパズルには、空欄を埋めるためのヒントのようなものがある。もし、「日本の首都」というヒントがあれば、TOKYOと入れればよい。会話の練習なのだから、問題自体は難しいわけではなく、高校を出ていれば誰でも知っているであろう、一般常識のようなものばかりだったと思う。私たちは、どんどん空欄を埋めていった。「イギリスで初めて女性として首相(prime minister)になった」という問題も、二人にはもちろん「楽勝」なはずだった。誰だか分かるのだから、綴り(スペル)をスペースにあうように考えればいい。マイクの向こうから彼が言った。「最初の空欄はDだって言うのは分かるんだけどさあ・・・」「え??」私はちょっとびっくりして聞き返した。「D?Dじゃないよ!イギリスの女の首相だよ!鉄の女だよ!Sだろう?だってサッチャーじゃないかよ!」すると、すぐ向こうから、これだから、ヒロは困るぜ、という感じで、「DだよD!だって彼女の名前デッチャーだろうが!」と言い返してくるではないか。お互い、一歩もひかず、「Sだよ!」「いやDだ!」「いやいや。絶対Sだね!」「そんなはずはないよ!絶対Dです!」と向こうとこっちでやりあっているち、それを黙ってモニターしていた先生が割って入って、一言「Thatcher!」。そう、最初の空欄に入るのは、SでもDでもないTHのTだったのだ。日本語にも韓国語にもTHの発音はない。だから、その音に一番近いとそれぞれが思う音をあてているのだ。日本人はSを選び、韓国人はDを選ぶ。へえ、おもしろいもんだなあと思った。

7 Comments:
やっばり、アジアの人々が英語を勉強している時に、"th"のようなことが困りますね。台湾人にとって、舌を出しながら話すことは不自然で、ちょっと失礼で、変なことです。だから、中学校の時に、英語先生の舌を笑ったクラスメートもいました。しかし、アメリカに来て、だんだんなれました。
この話は本当に面白いと思います。日本では、英語の専門の同志社の学生と話し合った時には、私が「英語の勉強では何が一番難しいことなの?」と聞いて、「綴字のことは大変ね」と答えました。英語の言葉の書き方とその言葉の発音はちょっと大変でしょう。もちろん地域によって違う発音はその綴字のことがもっと難しくなります。
そうだね。私にとっては、やっぱり、綴りと発音は難しいね。特に発音は大変。ちょっとしたことでも、なかなか通じないことがあって、「やっぱりだめだなあ」と思うことがよくありますよ。
面白い話ですねぇ!(実は、読みながらよく笑いました*^-^*)
発音のしかただけではなく、聞き方の難しさもものすごく面白いと思います。こないだ埼玉県の仲良しと会いに行った時に色々な面白いところへ連れて行ってもらって、その中の一つは東京の自由の女神像でした。「自由の女神は英語で何って言うの?」と聞かれて、私が「The Statue of Liberty」と答えました。彼が少し困惑した顔で「いえいえ、自由の女神。自由の女神は英語で何って言うの?」とまた聞いて、また「The Statue of Liberty」と答えました。「違うよ、キャサリン!じ・ゆ・う・の・め・が・み!」と彼が笑って言いました。私はどうしようか分からなかったので、電子辞書で調べました。やはり「The Statue of Liberty」だったと分かって、彼に見せて、「ほら、The Statue of Libertyだよ」と言ったら、彼がすごく笑って、こう言いました。「キャサリンが言ったのは『スタジオ・ジブリ』だと思ったよ!」発音がよく似ていますね。
カッパ
ははははは!これは笑った!「Statue of Liberty」と「スタジオ・ジブリ」ね!なるほどなるほど!
発音はなかなか難しいですねぇ。私も「やっぱりだめだなあ」と思うことがあります。日本人のとくらべて、私の発音はちょっと違って、訛りを持ってと聞こえますが、いろいろやってみても、まだその訛りが残っています。
先生の気持ち何か共感できますね。私の父もいつも英語の発音は難しいって言ってますので。でも日本語もNHKニュースアナウンサのように完璧な発音で話すとしたらすごく難しいと思います。日本人みたいに話したいのが私の念願です!
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