J462ブログ

2006-12-01

聞きたいんだけど…


「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」と言うくらいで、日本では、分からないことは聞けばいいのだと言われている。しかし、自分でよく考えもせずに何でもすぐ聞くという態度も実はあまり感心されない。つまらない質問、くだらない質問という意味で「愚問」という言葉もある。学生時代、先生方は、ほぼ間違いなく皆さん「分からないことは遠慮なく聞きなさい」とおっしゃった。「分からないことをそのままにしておくのはよくないことだ」と。しかしだ。いざ「すみません」と質問を持っていくと、「よく考えずにすぐ聞きにくるな」などとおっしゃる方のいかに多かったことか。先生の言葉を信じて正直に質問を持っていって、こんなふうに言われ「じゃあ、いったいどうすりゃいんだよ」と言いたくなることが度々あった。そのせいかどうか分からないが、実は私には、いまだに、質問することに抵抗があるようなところがある。「先生、何言ってんだよ。授業中は、こっちが困るくらい、いろいろ聞いてくるじゃないかよ。」うん。皆がそう言いたいのは分かる。でも、授業中、講師として質問するのは仕事だから、自分が分からない事を聞くこととはちょっと違うだろう。

ちょっと前の話になるが、ハロウィーンの日にカッパさんと少しさんが楽しいコスチュームを作って着てきてくれた。二人のコスチュームは本当にすばらしいもので、傑作と呼ぶべきものだったと思う。私は写真をとりながら、「勉強でいろいろと忙しいだろうに、こんなものすごいものを作ったのか…」と、なんだか感動してしまった。(結構すぐ感動してしまう性質なのだ。)家に帰り、家内にその写真を見せると、彼女も随分喜んで「へー、すごいねぇ」とやっぱり感心しきりだった。二人で一通り写真を見終わり家内が私に尋ねた。「でも、この少しさんのコスチュームは何なの?」「やっぱり、アニメの主人公なの?」「カッパさんはどうして山羊なわけ?」「山羊のひげは何で作ったのかしら」私には全く答えることが出来なかった。「そうだよなあ。何だろうなあ」などと言うだけだった。実は、私にも家内と同じ疑問がなかったわけではないのだった。あの時、教室でみんなの写真を撮りながら、確かにそんな疑問が頭を掠めたのだった。でも、聞けなかった。二人のコスチュームはものすごくよく出来ていて、本当にすごいものだったから、それはそれとして、そのまま楽しめばいいではないかと思ったのだ。というより、もっと正直に言えば、きっと、私がしょうもないことを聞くことで、クラスの楽しい雰囲気を壊してしまうのではないかとふと思ってしまったのだ。「考えすぎだよ、先生」きっと、みんなそう言ってくれるだろうとは思うけど、つい質問をしそびれてしまったのだ。

「アメリカ人は興味をもつと質問したがるが、日本人はそうではない」ということを誰かが書いていたのを以前に読んだことがある。こんなに簡単に一般化してしまうのはどうかと思うが、この説に従えば、アメリカ人は「質問が出ない=興味や関心がない」と考えてしまうということになるわけで、少しさんとカッパさんが「コスチュームに関する質問が出ない=あいつは興味や関心が全然ない」と結論づけてしまった可能性もあることになる…。そりゃいけないと思い今日はこれを書いた。みんなはごく近い将来、日本へ行って仕事をしたり自分の研究をしたりすることになると思う。日本で、自分が満足のいく仕事をしているという自信があるのに、周りの反応が今一つと感じられることがあるかもしれない。でも、そんな時には、今年のハロウィーンのことを思い出してほしい。日本人の中には、私のように「聞きたいけど聞けない」者もけっこういるのだという事を。

3 Comments:

At 土 12月 02, 05:10:00 午後, Blogger Chun-Yu Lu said...

そうですね。私も少しさんとカッパさんのコスチュームについて、聞きたいことがいっぱいです。(山羊のマスクをかぶりながら歩くのは大変じゃない?重そうでしたが...)残念ですが、時間があまりなかったから、聞くことはできなかったです。でも、興味が全然ないじゃないよ。

 
At 土 12月 02, 06:32:00 午後, Blogger ライオンズ said...

私も「アメリカ人は興味をもつと質問したがるが、日本人はそうではない」という説が簡単すぎると思います。
とにかく、ハロウィーンのことについては、私のコステゥームは「Power Stone」という楽しいファイチングゲームのキャラクターなのです。

ゲームのイメージ:
http://img67.imageshack.us/my.php?image=jackg2yg3.jpg

コステゥーム:
http://i141.photobucket.com/albums/r62/jslyons/IMG_1536.jpg

 
At 月 12月 04, 01:04:00 午後, Blogger ランディー said...

有留先生のエントリーがいつも私に微笑ませてくださいます。(^ワ^)

「アメリカ人は興味をもつと質問したがるが、日本人はそうではない」と聞いたことは今までありませんでした。正しいかどうか分かりませんが、正しい場合が多いかもしれないと思いますね。

ハロウィンのことですが、私は質問を聞いて頂く場合にも嬉しいですが、有留先生が質問をお聞きにならなかったのに興味をお持ちになるように見えたので、私にとっては十分嬉しいことでした。

どうして私は山羊だったかというと、やはり私も答えられないと思いますね。ただクリーピーのコスチュームを作りたかったのです。山羊の頭を持つ人間のイメージを美術で見たことがあるので、それを選びました。(こんなちょっとしたおかしいイメージが普通のモンスターより怖いと思います。本当に悪夢の動物です…)ひげのことは、頭が遠くから羊のように見えるかもしれないと思ったので山羊のひげを作りました。(山羊が羊よりとても怖いと思うのです。)

呂さん、歩くのが少しだけ難しかったです、うまく見えなかったからですね。でも、重くありませんでした。

 

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