J462ブログ

2007-03-19

「外国で髪を切ってもらうということ」 その1

この春休みもまた、家内の実家のあるシカゴへ二人で出かけた。たいていは3~4泊してくるのだが、いろいろな事情があり、今回は1泊2日で帰ってきた。キャリーさんもよく知っているように、往復10時間のドライブになるので、1泊2日では本当に慌しい感じになる。そんなに慌しいことになるのなら、別に無理して出かけなくてもと思うかもしれないが、じつは、このタイミングで是非いっておかなければならない所があったからなのだ。それは、我々が結婚して以来行きつけにしている美容院なのである。

アメリカに渡ってきた当初の英語が通じなくていろいろ苦労した話は、これまでもいくつか書いたと思うのだが、実はいまだに「外国(アメリカに限らず)で髪を切ってもらう」ということは、私にとってけっこう難しいのだ。店を選ばず、ぶらっと入っていって、いろいろ頼んで、「うん。まあまあだね」と出てくることはまず出来ない。とんでもない頭にされたらどうしようとまず考えてしまい、誰にでも、「お願いしま~す!」と頼めないのだ。それは、トラウマのようになっているこの事件のためかもしれない。

アメリカへ渡ってきた最初の夏、私はコネチカットにいた。運良く、日本人の知り合いもでき、その人たちと週末を過ごすことがあった。彼らはアメリカに既に数年在住しており、私などとは比べ物にならないほど流暢な英語を話していた。ある、土曜日だったか、日曜日だったか、その知り合いとお昼を食べることになり、レストランで待ち合わせをした。一人者で休みの日には寝る以外、これといってすることのない私のこと、彼よりも早く待ち合わせ場所に着いてしまい、アイスティーを飲みながらしばらく待つことになった。約束の時間を5分ほど過ぎて彼がやってきた。「ごめんごめん」と言いながら、私の前に腰掛け、ウェーターを呼んで、私の分も注文してくれた。彼のウェーターとのやり取りをそばで見ながら、「さすがだなあ。いつになったら、自分も彼のように堂々と話せるようになるのかなあ。」などと思っていた。と、その時、彼が珍しく野球帽をかぶっているのにふと気がついた。ウェーターとのやり取りの終わった彼に、「新しいの、買ったんですか?」と尋ねてみた。すると彼は、「まあね…」と何だか歯切れの悪い返事を返してきた。ちょっとその様子がいつもの彼らしくなかったので、「何かあったんですか?」と聞いてみた。するとまた「まあね…」。『もしかしたら、奥さんとけんかでもしたのかなあ…。まあ、そんなこともあるよな。』私はこういうとき、あまり、根掘り葉掘り聞かないことにしている。意味なくうなずきながら、ふと彼のもみあげの辺りを見るともなく見た。なんだか、ものすごくすっきりした感じになっている。どうやら彼は散髪してきたらしい。『なるほど、奥さんとの大げんかの後で、気分を変えたかったんだな…』何か当たり障りのない話題を探していたので、ちょうどいいと思い、「散髪したみたいですね。」と聞いてみた。すると、彼はまた、「まあね…」とだけ言ってよこした。『よっぽどすごいけんかだったんだな…。』と思いながら、「私もそのうち散髪しに行きたいと思ってるんですよ。よかったら、そこ、今度紹介してもらえませんか?」と聞いた。すると彼はまたもや、「まあね…」。『あちゃー、これはすごい。しばらくそっとしておいた方がよさそうだぞ』私はまた意味もなくうなずきながら、窓の外を眺めることにした。すると、いきなり彼が「絶対に笑わないな?」と聞く。私は、「夫婦げんかは犬も食わない」と言うけど、どんな話を聞かされても笑うことだけはないだろうなと思い、「もちろんですよ」と答えた。彼は「本当に笑わないな?」ともう一度念を押すと、おもむろに野球帽を取った。

来週に続く

6 Comments:

At 月 3月 19, 05:46:00 午後, Blogger ワン said...

その知り合いはどんなことが起こったか、知りたいですね。次のエントリーを待っています。

根掘り葉掘りって面白い言葉だと思います。

 
At 火 3月 20, 11:59:00 午後, Blogger Chun-Yu Lu said...

来週の続くを待っては大変ですね。いったい彼の髪はどうでしたか?さて、「夫婦げんかは犬も食わない」の意味はよく分かりませんが、何が面白い画面がありそうですね。

 
At 日 3月 25, 09:22:00 午後, Blogger ライオンズ said...

私も次のエントリーを待っています!

テレビドラマのように佳境で止まっていますねぇ。

 
At 日 3月 25, 11:42:00 午後, Anonymous 匿名 said...

何だかすごく面白い話になりそうですね!
私は英語ができても韓国と日本以外の所で絶対髪を切りません。一度もこちらにある美容院で成功したことがないからです。。 先生の話早く読みたいですね!

 
At 月 3月 26, 02:00:00 午前, Blogger ランディー said...

おっ!ちょうど話しのクライマックスになるところですね!続くエントリーを読みたいですね!

私の事ですが、髪を切ってもらうことがうまくいかないことが少し怖いし、私の髪はおしゃれなスタイルではなくてまっすぐ切ってあるので、自分で切ります。

 
At 月 3月 26, 10:26:00 午後, Blogger Brad said...

私は日本にいた時には絶対に髪を切らないつもりだったのですが、そのことが無理になりました。何故かというと、私の髪がものすごく長くなって(又は私の髪では高くなって)、切らなければならなくなりました。でもいい髪型を日本語で説明することが出来なかったので、テレビ番組の人物の写真をプリントして、「このように切ってくださいませんか」のようなことを言って、殆ど大丈夫でした。しかし、切っている間には私はとってもナーバスでした。

 

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